実は昨季よりも減少している負傷者数
では、そのチームスタッフはどうなのか? 答えを言えば、責任追求などお門違いということになる。昨季開幕前、ドイツ代表のスタッフとして2014年W杯優勝にも貢献しているシャド・フォーサイスをフィットネスコーチに加えたアーセナルでは、問題解決とまではいかなくとも、故障者数や欠場期間の面で改善が見られているのだ。
プレミア勢の故障者情報を掲載している『physioroom.com』のデータによれば、今年11月末までの1年間で発生した故障は24件。昨年11月末までの1年間43件から大幅に減少している。
去る11月29日の今季14節でアレクシス・サンチェス(ハムストリング)、サンティ・カソルラ(膝)、ローラン・コシエルニー(腰)の3名が揃って負傷する不運に見舞われる前の故障者数はリーグ7位(タイ)。騒がれるような数字ではない。
12月5日の翌節では、コシエルニーが欠場には至らず、キーラン・ギブスは2週間ぶり、セオ・ウォルコットは約1ヶ月半ぶりの戦線復帰を果たしてもいたのだが、より依存度の高いサンチェスとカソルラが、それぞれ約1ヶ月と3ヶ月半の欠場を強いられることが判明していたことから、故障者が絶えない印象が強まった感がある。
もっとも、要人の怪我と多発イメージの先行を不憫の一言で片付けるわけにもいかない。パスサッカーを信条とするヴェンゲルのアーセナルには小柄なテクニシャンが多い。攻撃陣の平均身長がリーグ平均よりも4センチ低いという数字もある。言い換えれば、敵が力づくで封じようとするファウルの標的が多い。