「我々は冷静さを欠いた」
バイエルンは、カウンターを警戒しながら、引いて固める敵をどう崩すかという課題に取り組んできた。しかし引いた相手を前提とするテーマに取り組んでいるからこそ、生まれる隙がある。シューベルトは、引いた相手という前提条件を無効化しようとしたとも言えるだろう。
試合後にペップは「少しヴォルフスブルクでのことのようだ。そこで我々は冷静さを欠いた」と述べた。
今年の1月、昨季の後期開幕戦でバイエルンは敵地でヴォルフスブルクに1-4で敗戦した。カウンター主体のアグレッシブなヴォルフスブルクに失点を重ねる中で、「冷静さを欠いた」。そして後ろに重きを置いたヴォルフスブルクとは「少し」違うが、ボルシアMGのアグレッシブな3-5-2も、得点を重ね、バイエルンから「冷静さ」を奪うことに成功した。
ボルシアMGはバイエルンを3-1で下した。
ペップは敗戦の理由を、失点後に秩序を失ってポゼッションを軸とするスタイルを疎かにしたこと、としている。上手くボールを保持できなかった。
7日付の『キッカー』誌は次のように記した。
「フットボールは、ボールを持っているときだけでなく、ボールに対して、またボールを持っていない時にも行われるものだ」
アンチ・バイエルンは、どこにでも潜んでいる。
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