21年の時を超えて乗り越えた重圧
それにしても、ガンバ大阪の底力は「凄い」の言葉しか見つからない。準決勝120分アウェイでの激闘から中3日で決勝第1戦。さらに痛恨の逆転負けとアウェイゴールを3本許した逆境から中2日で敵地に乗り込むスケジュールに、驚異的な立て直しをはかり、ボールを支配して満員のアウェイで年間勝ち点1位を後半31分まで追い詰めた。
選手・スタッフの計り知れないレベルの高さに、新スタジアムを要し、今後10年のJリーグをリードしていく予感を感じさせる、王者の遺伝子を持つクラブだ。
2015明治安田生命Jリーグチャンピオンシップは広島が2戦1勝1分けで優勝。森保監督を始め主力選手は「ホッとした」と声をそろえた。年間勝ち点1位の、1年間の勝者を、真の勝者と認めさせる重圧から解き放たれたチャンピオンシップ制覇。そして、2年ぶりのJリーグチャンピオンを奪還した。
最高の挑戦者を振り切って、21年の時を超えた、かつてより重圧の思いレギュレーションを乗り越えたサンフレッチェ広島のチャンピオンシップでの優勝。
指揮官森保一は、選手時代に残した広島の過去の呪縛を自ら監督となり振り払った。それは時代を確実に前進させた、サンフレッチェ広島3回目のリーグ優勝だった。
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