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Jリーグ 9年前

サンフレッチェが遂げたCS優勝。21年の時を超えて乗り越えた重圧、広島の夜空に沸いた紫の歓喜

text by 竹島史雄 photo by Getty Images

CS決勝第1戦。万博競技場のラストゲームが舞台に

 Jリーグで2年目のチャンピオンシップ。サンフレッチェは、セカンドステージ・NICOSシリーズを制したヴェルディ川崎の元日本代表、北澤豪のミドルシュートで0-1、痛恨のホームゲーム黒星を喫する。

 そして、折り返しのセカンドレグ。聖地・国立競技場でラモス瑠偉が放った、サンフレッチェサポーターの心と頭に刻まれた、虹のようなループシュートは広島がサッカーで日本一になる夢を打ち砕いた。0-1、さらに2戦合計0-2、1994年のチャンピオンシップは完敗だった。

 決勝の第1戦はアウェイ。準決勝を勝ち上がった年間3位のガンバ大阪にとって、J創設時からのホーム・万博記念競技場のラストゲームだった。

 水曜日、12月2日の万博競技場で、ファン・サポーターの出足は遅い。メディア受け付けは16時開場。広島のサポーターは17時30分開場、と同時に選手がスタジアム入り。

 ゆったりとした試合前の時間は、Jリーグが用意したチャンピオンシップの黒と金の演出と共に、じわりと気持ちを高ぶらせる。それでも、和気あいあいとラスト万博の風景を眺める余裕のある、大阪の地に闇の迫る夕方であった。

 だが、19時30分のキックオフを逆算したかのように、青と黒のサポーターがスタジアムを埋め尽くす。広島にとって、今季初のチャンピオンシップ。ガンバ大阪にとっては中3日であれども、準決勝の激闘を制した後に満を持してホームでのチャンピオンシップを開催した。

 年間勝ち点1位と、勝ち点3位。勝ち点で11の差を持つ両チームのファイナル。試合前に森保監督は「普段通りに戦う」と語ったあとに、最悪のシナリオはと聞かれ「不測の事態に、チームが個人の思いを貫きすぎてバラバラになること」を挙げ、「どんなことが起きてもそれに冷静に対処する」ことを求めた。

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