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脅迫関与容疑のベンゼマは“白”。事件を複雑化させた交友関係、“億万長者”に金銭要求の理由なし

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

“潔白”のベンゼマの唯一の落ち度

『TF1』のインタビューで「それではなぜ、ヴァルブエナは君にゆすられたと感じたと思うか?」尋ねられ、ベンゼマは「実際、クレールフォンテーヌの部屋で話し合ったとき、彼にはそんな(自分から脅されていると感じている)様子はまったくなかった。あとになって、いろいろな聴聞に答えたりしているうちに、彼の思考の中でそういうイメージが作り出されていったんだろう」と答えている。

 警察の調査ですでにゼナティは参考人物として名前が挙がり、ベンゼマの存在も捜査線上に浮上していた。そのためこの2人の会話は盗聴されており、ベンゼマがいつかはヴァルブエナに連絡をとることも察しがついていたため、警察はヴァルブエナに前述のような忠告をしていた。

 このような状況を後から知ったヴァルブエナが、10月のベンゼマとの会話を振り返って、「そう言われてみれば…」と悪い方向に印象を変えても不思議はない。

「自分は潔白だ」と断言するベンゼマが唯一後悔しているのは、ゼナティとの会話の中で、この件を茶化したことだという。

「まったくアイツもしょうがねえよなぁ」というような野郎トークだったことは容易に察しがつくが、まさか録音されていて、それが証拠品になってしまうとは思いもよらなかったことだろう。

 現在も調査は進行中で、完全に疑いが晴れるまでヴァルブエナとベンゼマは同席することを禁じられている。次の代表戦は来年の3月25日だが、そのときまでにどう進展しているか。

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