友人は「兄のような存在」。しかし過去には犯罪歴も
そもそもベンゼマがこの件に関わることになったいきさつだが、マドリード市内で幼なじみのカリム・ゼナティとランチをしている時に、知らない男が近寄って来て、「ヴァルブエナのプライベートが映ったビデオがある」と伝えられたのだという。
その男がどういう意図でベンゼマに近づいたのかは推測するしかないが、ベンゼマは単純にヴァルブエナがトラブルに巻き込まれていると知り、助けになろうと本人に話したのだった。
ここでクローズアップされたのが、カリム・ゼナティというベンゼマの「友だち」の存在だ。ベンゼマより3才年上のゼナティは、地元リヨン時代の幼馴染で、ベンゼマにとっては「兄弟のような存在」だという。
しかし子供のころから盗みなどの悪事を繰り返し、ついには強盗の罪で約9年間刑務所送りとなって2年前に出所してきたばかりだった。
一方のベンゼマはその間プロサッカー選手として成功し、世界に数台しかないブガッティ・ヴェイロンを手に入れられるほどの億万長者になっていた。しかし兄のように慕うゼナティとは、ベンゼマは変わらぬ友情を保っていた。
恐らく、ベンゼマはリヨン近辺で“顔が利く”ゼナティが動けば厄介ごとは片付くと信じ、ヴァルブエナに彼に頼ることを強く勧めたのだろう。
そこに代表でのチームメイトから金銭を搾り取ろうなどという意図がなかったことは明らかだ。幼なじみのゼナティも、ベンゼマのサポートのおかげで金銭面では一切苦労していないという。
【次ページ】“潔白”のベンゼマの唯一の落ち度