ベンゼマの立場を悪化させたヴァルブエナのインタビュー
マテュー・ヴァルブエナが『セックステープ』をネタにゆすられているという事件について、11月下旬から新たな展開があった。
発端は11月27日の『ル・モンド』紙上に載ったヴァルブエナのインタビュー。事件が明るみに出て以来、ヴァルブエナが初めてこの件について口を開いたことで注目を集めたのだが、この中で、「ベンゼマの言葉は、金銭を払うよう促されているように受け取れた」と語ったことが、ベンゼマの立場を急激に悪化させている。
ここで、調査も進んで事実関係もかなりはっきりしてきたこの事件の経過を、改めて振り返ってみたい。
ヴァルブエナがインタビューで語ったところによれば、最初にこのビデオテープの存在を知ったのは今年の5月だったという。マルセイユでの元チームメイト、ジブリル・シセが「おまえが映っているテープが出回っているらしいと耳にした。気をつけろ」と忠告の電話をかけてきた。
テープの出どころはおそらく、シセも含む新旧マルセイユの選手たちと親交のあるアクセル・アンゴとムスタファ・ズーアイという男達で、去年の夏、ヴァルブエナがコンピューターを新調した際に携帯電話からのデータの移し替えなどを手伝ってくれたのが「ITに明るい」ということになっていた“なんでも屋”の彼らだった。
そしてシセから話を聞いた翌月、ヴァルブエナのもとに見知らぬ番号から、テープの存在を知らせる電話がかかる。
ゆすりが始まったのはこのとき、2015年6月。しかし幸いにもちょうどフランス代表の合宿中で、電話を受けたときもヴァルブエナはクレールフォンテーヌにいた。
すぐにチームの警備を任されている専任の警察官、通称「モモ」に相談。警察に被害届を出すと、仲介人を立てて直接脅迫者たちとは連絡をとらないようにするなど、ヴァルブエナはその後は一切、警察の指示に従って動いた。
やがて脅迫電話も来なくなり、「ビデオがあるなら証拠を見せてくれ。メールで送ってほしい」とヴァルブエナの側からメールアドレスを伝えても、何も送ってこなかったという。