ロナウドを生かすベンゼマのプレーエリアの広さ
また、ベンゼマの貢献度は自身の活躍のみにとどまらない。
ベンゼマのベストポジションは背番号9を背負うようにセンターFWであることは誰もが知るもの。しかし、ベンゼマのプレーエリアは中央やゴール前に限定されず、前後左右に広いエリアをカバーできる。
ボールを持ってプレーした位置を示す「アクション・エリア」を見てみると、ピッチを横に3分割した敵陣ゴール周辺のファイナルサードで63.64%を記録。
さらにピッチを縦に3分割してみると、ファイナルサードの左サイドで18.18%、右サイドでは4.54%となっていることから、主に左ウイングのクリスティアーノ・ロナウドとポジションを入れ替える動きを見せていたことがわかる。
そして、このベンゼマとの関係性こそがクリスティアーノ・ロナウドが力を発揮するためのカギといえる。
クリスティアーノ・ロナウドは、34分にガレス・ベイルの得点をアシストし、37分にはカウンターから自身も得点を決めて1ゴール1アシスト。オプタのデータを基にした評価では「パフォーマンススコア」で84、「レーティング」で9.09を獲得。ベンゼマは68、9.07となっており、ロナウドは2ゴールのベンゼマ以上の高い評価を得ていた。
「アクション・エリア」を見てみると、ロナウドはファイナルサードの中央で
51.67%もの割合でプレーしている。この51.67%はベンゼマの40.91%を大きく超える数字である。
さらにペナルティエリア内に絞るとベンゼマの13.64%に対してロナウドは16.67%。回数にするとベンゼマの6回に対してロナウドは9回。本来センターFWのベンゼマ以上に右ウイングのロナウドが中央でプレーしていた。
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