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Jリーグ 9年前

C大阪に生まれた“開き直り”。「生きるか死ぬか」で挑む運命の一戦

text by 藤江直人 photo by Getty Images

リーグ戦残り1試合での監督交代

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フォルランがチームを離れてもJ2では屈指の陣容を揃えるセレッソ【写真:Getty Images】

 残り1節となった段階で、セレッソはアウトゥオリ監督の退任と大熊清強化部長の監督就任を断行した。この時点で、5試合連続の勝ち星なし。東京ヴェルディをホームに迎える最終戦でも敗れれば、愛媛に逆転されるおそれもあった。事実上の解任だった。

「ここ数試合、私自身が感じた雰囲気は、選手に生き生き感がない、アグレッシブな動きがないというものでした。負けていても1点でも返そうという意気込みや気迫が感じられなくなった、というのがあります」

 前代未聞の交代劇に至った理由を、セレッソの玉田稔社長はこう語った。戦術やテクニックではなく、メンタルの問題。目の前の試合に対する集中力を高め、選手たちの自立と奮起を促すためのカンフル剤だったといっていい。

 監督交代を機に選手同士によるコミュニケーションが増えたと、FW玉田圭司は振り返る。

「ミーティングというか、みんなで話したりする機会が多くなった。練習の前でも後でもどんなときでも。テクニックが急に上手くなることは難しいけど、絶対に勝ってやる、二度と負けたくないという気持ちはすごく強くなった」

 ヴェルディ戦は2対0の快勝。6試合ぶりの白星を4試合ぶりの零封で飾ったことで、昨シーズンから陥ってきた負のスパイラルに歯止めをかけるきっかけをもぎ取った。

 指揮官交代を機に、チーム内にはいい意味での「開き直り」が生まれたと田代は言う。

「最後はいい形で終われば、となっている。いろいろな苦労をしてきた分、最後にかける思いはみんなもっているはずなので」

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