広島に隙はない
第1戦は最後の最後まで目が離せない展開となった。広島守備陣のミスを長沢駿が突く形でG大阪が先制し、ホームでの先勝を引き寄せる。得点後も集中力を切らさず、試合を締めようとしていた。
だが、アディショナルタイムを含めたラスト15分に流れがめまぐるしく変わることになった。80分にドウグラスが同点に追いつくと、直後に今野泰幸が突き放してG大阪がリードを保つ。しかし86分、オ・ジェソクが一発レッドを受けG大阪が数的不利となると、広島がギアを上げる。
そして、終盤に佐々木翔と柏好文の元甲府コンビがネットを揺らし、広島が逆転で第1戦をモノにした。3つのアウェイゴールも、年間1位の彼らにとって大きなアドバンテージとなる。
過去のCSの結果を見ると、第1戦に勝利したチームがそのまま年間王者の栄冠を手にしている。この法則に照らし合わせれば、広島が今季のJ1チャンピオンということになる。
広島は第1戦、自陣での連係ミスから失点を許した。軽率ではあったが、幸いにもチームは逆転勝利を収めた。あの失点に絡んだ選手にとっては安堵する結果であると同時に、同じ失敗を繰り返さないよういつも以上に気持ちを引き締めて臨むはずだ。第2戦の広島に隙や綻びを見つけるのは難しい。
G大阪は最低でも2点を奪う必要がある。第1戦も2点を挙げているが、宇佐美貴史は未だ沈黙が続いている。巧みなドリブルや振りの早い強烈なシュートなど持ち味を発揮してはいるが、ネットを揺らすには至っていない。複数得点が求められる試合でエースが結果を残せなければ、G大阪の逆転優勝の可能性は遠のくだろう。