「あいつがゴールを取れている理由は理解できる」
開幕から絶好調を維持する岡崎慎司の同僚、ジェイミー・ヴァーディーが強敵マンチェスター・ユナイテッド戦でもゴールをゲットして11試合連続得点を達成。ルード・ファンニステルローイが持っていた10試合連続を抜き、プレミアリーグ新記録を樹立した。
しかしこの試合でヴァーディーに廻ってきた好機は数えるほどしかなかった。それでも、虎視眈々と獲物を狙う動物のように、ヴァーディーはエネルギーをセーブしつつ、重要な時にだけトップスピードでボールに向かって一直線に走りだす。ここで、10節のクリスタル・パレス戦後に岡崎がヴァーディーのプレーについて分析していたのが思い出された。
「全体的に見たらあいつの(走行)距離って全然ないんですよ。ただ、インパクトがある。『うわ、走っている』っていう。自分がマインツの時にそうだったんですけど、総合的に見ると10.5キロとかしか走っていない。けどハードワークしているなと見られていたんですよ。
何でやろうと思ったら、重要な時に走って相手のクリアを防いだり、重要なところで五分五分のボールをマイボールにしたりしている。そういうところでリズムを作っていて。それがあいつはできていて、あいつがゴールを取れている理由はすごく自分には理解できる」
この日の得点シーンもまさにこれだった。前半24分、敵の攻撃をしのいでボールを掴んだGKカスパー・シュマイケルが前方にボールを出すと、SBのクリスティアン・フクスがそのボールを受けて自陣から前線に絶妙のパスを送り込む。
すると待っていましたとばかりにヴァーディーは、DFが追いつけないほどの一瞬の速さでボールに飛びついてエリア内に進入、角度のない位置から右足で豪快に敵ゴールに蹴りこんだのだった。