開花が待たれるアドナン・ヤヌザイ
このように新加入の選手達が戦力として十分に計算が立っている中で、アドナン・ヤヌザイは、まだポテンシャルを十分に発揮できていないと言えるかもしれない。
加入したばかりの9月12日のハノーファー戦の後で、香川が「ウイングタイプでこういうチームに合っている」と述べたように、トゥヘルのサッカーと戦術的な適性は合っている。しかし途中出場が多く、未だノーゴールと結果を残せていない。
それでも8月31日付という加入時期とカストロの事例を考えれば、BVBチームとしてもヤヌザイ本人としても、まだ辛抱の時期なのかもしれない。バイグルのように即座に開花する場合もあれば、カストロのようにブレイクに時間がかかる場合もある。
いずれにしても、ドルトムントが昨季とは見違えるようなパフォーマンスを発揮し続けている背景には、こうした新加入の選手達の活躍があると言えるだろう。
チームが前進するためには、新陳代謝や化学反応が不可欠である。全てのチームで、新加入の選手が力を発揮できるとは限らない。居場所を見つけられないまま、チームを去ることは珍しい話ではない。そういった意味でも、ボルシア・ドルトムントの夏のお買い物は、概ね上手くいったと言えそうだ。
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