エイバルの躍進を支える守備力
城彰二、西澤明訓、大久保嘉人、中村俊輔、家長昭博、指宿洋史、ハーフナー・マイク…これまで7人の日本人選手が1部リーグのピッチを踏みながら誰1人として成功と呼べる結果を手にすることができなかったスペイン。
そのリーグに今季、乾貴士がチャレンジしている。ここまでリーグ戦7試合に出場して5度の先発。8試合目の出場、6度目の先発となった第13節はホームにレアル・マドリーを迎える一戦だった。
所属するエイバルは、昨季18位と降格圏で終えながら、13位エルチェが財政面の問題から降格処分となったことで“たなぼた残留”を手にしたクラブ。
それでも今季は、ここまで5勝5分け2敗で勝ち点20を獲得。すでに勝ち点35だった昨季の半分以上を稼ぎ、7位という順位でこの一戦を迎えた。
その躍進の最大の要因となっているのが、オプタのデータによるランキングの「ディフェンシブ・アクション」でリーグトップの評価を得ている守備である。
レアル・マドリーをホームに迎えたこの一戦でも立ち上がりから効果的な守備力を発揮。相手の中盤にプレッシャーをかけることで前線との連係を寸断し、思い通りの攻撃を許さなかった。
リーガエスパニョーラというリーグは主にテクニックを重視したリーグと言われ、日本のサッカーに近いという意見も一部にある。そして日本代表はスペインのようなサッカーを志していることでも知られている。
しかし、実際には選手個々の技術力の高さはあくまでプラスアルファの部分でしかない。ほぼ全てのチームがレアル・マドリーやバルセロナというチームを相手に勝ち点1でも獲得するために明確なゲームプランを持って試合に臨んでいる。