町田ゼルビアを救ったエース鈴木孝司(写真は今年9月)【写真:Getty Images】
【FC町田ゼルビア 2-1 大分トリニータ J2・J3入れ替え戦第1戦】
天国か地獄か。来年の運命を決めるJ2・J3入れ替え戦の第1戦が行われ、J2を21位で終えた大分トリニータとJ3を2位で終えた町田ゼルビアが対戦した。
序盤はホームの町田が勢いよく攻め込み、大分ゴールを脅かす。だがフィニッシュの精度をわずかに欠いて先制点を奪えない。
すると22分、大分は最初のチャンスを生かす。左サイドから松本昌也がFKを蹴り、ペナルティエリア内に飛び込んだ主将ダニエルが頭で合わせて待望の先制ゴールを手にした。
町田もJ2へ返り咲くため必死に同点を目指して攻撃を続けると、頼れるエースが強い想いを結実させた。前半終了間際のラストプレー、リ・ハンジェが相手に競り勝ってボールをペナルティエリア内へ送ると、鈴木孝司が左足を振り抜き、カーブがかかったボールはゴール右隅へと吸い込まれた。
後半も町田が攻める展開が続くも、大分は何とか耐えて反撃の機会をうかがう。69分には切り札パウリーニョを投入して押し返そうとするが、その矢先に痛い失点を喫してしまう。
72分、前半終了間際に貴重な同点ゴールを決めていた鈴木孝司がペナルティエリア手前で仕掛け、左サイドを駆け上がってきてきた森村昂太とパスを交換してフィニッシュ。町田がいい流れの中で欲しかった追加点をうばった。
その直後、大分をさらなる悲劇が襲う。76分、スローインを投げようとした重松のプレー再開を妨げたとして若狭大志がこの日2枚目のイエローカードを提示され、まさかの退場処分を受けてしまった。
残り10分を切って数的不利での戦いを強いられる大分は松本昌也に代えてユース出身の19歳MF姫野宥弥、負傷した三平和司に代えて松本怜を投入して勝負に出る。
だが、大分はすべてが裏目に出てしまう苦しい流れを断ち切れない。89分、今度は鈴木孝司を止めようとした鈴木義宜がペナルティエリア脇で手を使って相手を引き倒してしまい一発退場。ラスト数分間を9人で戦わなければならなくなった。
そして大分に反撃の力なく試合終了の笛。ホームのJ3町田がエースの2ゴールで第1戦を制した。アウェイゴールが1つあるものの、大分は第2戦で今季の守備を支えたDF2人を出場停止によって欠くことになる。
過去にJ1も経験し、多くの名選手を育ててきた大分が窮地に立たされている。来月6日の第2戦が終わった後、笑っているのはどちらのチームだろうか。
【得点者】
22分 0-1 ダニエル(大分)
45+2分 1-1 鈴木孝司(町田)
72分 2-1 鈴木孝司(町田)
【了】