蘭2部ドルトレヒトで活躍するファン・ウェルメスケルケン際【写真:Getty Images】
オランダ2部ドルトレヒトで活躍するファン・ウェルメスケルケン際が、27日に行われたPSVアイントホーフェンIIとの試合でプロ初ゴールを挙げた。
3-1とドルトレヒトがリードして迎えた74分、途中出場したばかりのV・W際はピッチ中央から一気にゴール前まで駆け上がり、左サイドからのクロスに合わせてゴールネットを揺らした。
難しいバウンドをきれいにコントロールして得点に変えた“サムサイ”(サムライ・サイの略で、現地での愛称)はゴール裏のサポーターのところへ全速力で駆け寄り、チームメイトやファンと喜びを分かち合っている。チームはそのまま4-1で4試合ぶりに勝利を収めた。
試合後、「とりあえず本当に信じられなかった」と初ゴールの感想を語ったV・W際。「ゴール見たらボールが入っていたので、寿司コールやサムサイなどといつも応援してくれているサポーターのところに一目散にかけていきました。サポーターもチームメイトもみんな来てくれて、みんなが1つになり、その中心が自分ということも嬉しかった」と、喜びを爆発させた。
しかし、ここまでの道のりは決して平たんなものではなかった。今季はほとんどの試合でスタメンに名を連ねていたが、最近はベンチスタートになることもあり、悶々とする日々が続いていたという。
だが途中出場が続く現状に満足しておらず、「上り調子に自分のプレーが良くなってきただけに、ここ2試合スタメンではないのは少し悔しいです。でも自分を見つめ直す良い機会ですし、こういうときこそレベルアップできるチャンスが転がっていると思うのでしっかり自分らしくやっていきたい。そうすればスタメンに戻れると思う」と、ゴールをきっかけに再び浮上のきっかけをつかもうとしている。
そしてチームも久々の勝利で復調の気配を漂わせている。現在は8位だが、1年での1部復帰も無理な目標ではない。ゴールを決めたV・W際も「勝たなければいけない相手にしっかり勝てたこと、そしてここ数試合良くなかったのでそれを払拭できるような内容であったこと、内容と結果の両方が伴ったのは大きい」と手ごたえを感じている。
「ゴールを決められたことは本当に嬉しいですし、良い思い出になりました。そしていつも応援してくれるサポーターやファンの人たちに恩返しが少しできたかなと思います。これからもっとゴールやアシストをして恩返しできるよう、そしてもっと自分のことをいろいろな人に知ってもらえるように頑張っていきます」
今後に向けて強い意気込みを述べた日本人DFは、遠い日本から応援してくれているファンの存在も気にかけており、次のように続けた。
「日本のファンのみなさんにはなかなか試合が配信されないので情報が届きにくいと思いますが、もっと活躍して発信していけるよう頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします」
オランダで鍛錬を続け、日々存在感を増している21歳の“サムサイ”は、厳しい環境で経験を積み着実に成長を遂げている。
【了】