マイナス部分を補完する育成マッチデー(仮称)の創設
Jリーグ関係者によれば、Jリーグ・アンダー22選抜に招集された選手たちは、コンビネーションを築く時間がない、などといった言い訳ばかりを口にしていたとう。
全試合をアウェーで戦わせるなど、あえて過酷な状況を与えることで精神的な成長をも促してもきたが、残念ながらこれでは意味をなさない。2シーズンに及ぶトライであぶり出された課題を、来年からのU‐23チーム参戦に反映させたと村井チェアマンが振り返る。
「直前までメンバーが決まらないこともあれば、13人のメンバーしか集まらないこともあった。ある種の集合体、寄せ集めゆえにチーム戦術を徹底できず、戦うマインドが醸成されにくいという事情もあった。それらを補う意味で、単一チームで戦う機会を増やそうとなったわけです。J2への昇格を真剣に目指しているチームが3分の2もあるからこそ、若手の育成に寄与するとも考えています」
もっとも、U‐23チームを編成できるクラブは限られているといっていい。選手層が厚くないクラブにとっては、Jリーグ・アンダー22選抜の活動終了が逆効果をもたらすこともある。
そうしたマイナス部分を補完する形で導入されるのが、育成マッチデー(仮称)の創設だ。たとえばJ1のリーグ戦翌日の日曜日などに、希望するクラブ同士が準公式で戦う機会を設ける強化施策だ。
実際、今シーズンもJ1クラブ同士による練習試合が数多く組まれてきた。近隣にチームがない松本山雅FCはアウェー遠征時に出場機会のなかった選手をその地に宿泊させ、翌日に練習試合を組む工夫で選手たちの成長を促してきた。