若手選手の実戦経験増に期待
立石氏が言及したルール作りとは、まさに選手の登録方法だった。強化担当者や実行委員会内で何度も積み重ねられてきた議論の過程で、セカンドチーム保有に前向きなクラブの意向が反映されたのだろう。
たとえば土曜日のJ1で出場機会を得られなかった、あるいはベンチに入れなかった若手が翌日のJ3のピッチに立つケースが、U‐23チームを保有することで可能になる。ケースとしては希になるが、土曜日のJ3で活躍した若手が翌日のJ1でベンチ入りするケースもあり得る。
トップとU‐23の試合が同日に行われる場合に両方でベンチに入り、どちらか1試合に出場することも可能とされた。Jリーグの村井満チェアマンが期待を込める。
「U‐23で結果を出した選手が、トップで使わるケースが多々出てきてほしい。25人の枠のなかで編成されるわけですから、常にフロントから見られているという意識、常に上へいけるチャンスがあるという意識が若手選手たちの間に広がる。そういう関係性のなかで挑戦できることに、非常に意義があるわけです。その意味では、ユースの選手たちも積極的に使ってほしいですね」
Jリーグ理事会から2日後の11月19日。日本サッカー協会の理事会で、J3が創設された昨シーズンから参戦してきたJリーグ・アンダー22選抜の活動終了が決定している。
若手を育成するために試験的なトライでもあったが、週末のJ1およびJ2でベンチに入れなかったメンバーを試合前日に招集。1回だけの練習で実戦に臨むスケジュールは、メンバーがその都度変わるという点を含めた継続的な効果という面で課題が残った。
Jリーグ・アンダー22選抜で経験を積み、所属クラブでレギュラーを獲得し、来年のリオデジャネイロ五輪を目指すU‐22日本代表でも居場所を築いたのはMF喜田拓也(横浜F・マリノス)くらいだったといってもいい。