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Jリーグ 9年前

ジェイが振り返る磐田“激動の1年”。名波監督への信頼、1年目での得点王…そしてJ1へ

text by ジェイ・ボスロイド photo by Getty Images

「“おいおい頼むよ”って感じだったよ!」

 名波さんは冷静沈着だ。僕はふくらはぎを痛めていたんだけど、昨日は脚を折ってでもプレーするつもりでいた。僕はプレーしたかったから、名波さんと話し合って出場することにした。とても多くが詰まった試合のひとつだったね。こういう状況を経験したことがなかった選手たちはちょっとナーバスになっていたけど、後半は僕らが試合を支配していた。

 僕は後半からベンチに退いたけど、携帯をポケットに入れてスコアを見ていたんだ。僕らが(最初の)ゴールを挙げたときにチェックしたら、ちょうど岐阜が福岡に追いついたところだった。5分すると福岡が追加点を決めていて、スコアは2-1、3-1、4-1と動いていた。“おいおい頼むよ”って感じだったよ! それから僕らは同点に追いつかれて、そして勝ち越した。

 他の選手たちもハーフタイムにはチェックしていたけど、僕は何も伝えなかった。ジュビロがゴールを挙げたとき、僕はもう一度スコアを確認した。スタッフには(福岡は岐阜と)同点になって、それから2点、3点、4点…と伝えていた。でもその時は僕らがリードしていたし、大したことじゃなかったね。

 大分にはたくさんのサポーターが来てくれた。日本中どこでも多くの人々が来てくれるんだ。いつでも応援を受けられるのは良いことだね。今シーズンはファンも素晴らしかった。ホームゲームでもっとたくさんのファンが見られればいいなと思っているよ。

 試合後、名波さんは祝福の言葉をかけた後、水曜に練習があることを伝えてきた。彼は感情を表に出すのがあまり好きじゃないみたいだね。ただ…お父さんが亡くなっていたから、きっとお父さんにもこの勝利を捧げていたと思う。

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