ドルトムント、試合序盤のPKで敗戦
決勝点が生まれた。試合が始まって30秒のことだ。2列目から飛び出したペレイラ。後ろからフンメルスが倒す。ペナルティエリアの中だった。主審がイエローカードをかざした。ママエフが千載一遇のPKを決める。0-1。
2015年11月26日、ヨーロッパリーグ(EL)のグループC第5節の対クラスノダール戦、ボルシア・ドルトムントの指揮官トーマス・トゥヘルは、失点に繋がったシーンを次のように捉えている。
「我々はチームバランスをわずかに崩した。スヴェン・ベンダーがタッチライン沿いで繋がれるパスを防ぐために助けなければならなかったからね。それでほとんど状況は決まったよ」
フンメルスと並んで2CBの右に入ったベンダーは、アフメドフからパスを受けたスモロフを追って、右サイドに釣り出される。スモロフが外側をオーバーラップしたSBカレシンに出したパスを、スライディングでクリアする。
しかしクリアボールの先にはカボレがいた。カボレがゴール前にボールを送ったとき、DFラインは引き裂かれていた。ペレイラが飛び出したのは、本来であればベンダーがいるはずのスペースだったのだ。
先制したクラスノダールは、4-1-4-1をベースにして4-4-2に変えながら守備をする。引き過ぎないコンパクトな守備は、20日にドルトムントを下したハンブルガーSVに似たところもある。
しかしHSVのように、アグレッシブにボールを奪いには行かない。ピシュチェクとシュメルツァーの両SBに対して、スモロフとママエフの両SHがマークについた。高い位置を取ろうとするSBへの対応をある程度は放棄して、前に残ろうとはしない。積極的にリスクを負ってまで、カウンターは狙わない。30秒の先制は、クラスノダールに少しゆとりを与えたと言えるだろう。後半にはDFラインをある程度の高さで保ちながら、5-4-1で構えた。