老朽化にアクセスの悪さ…広島が抱えるスタジアム問題
ビッグアーチ(エディオンスタジアム広島の愛称)に結び付けられた良き思い出は数知れない。だがスタジアムは古く、立地的にも不便だ。またスタジアム内部についても、観客はピッチの反対側で何が起きているのかがほとんど見えないのである。
チームの業績を考えても、サンフレッチェがトップクラスのサッカー専用スタジアムを得るべきだというのは明白である。広島市が建設を進めていないということ、特にかつて広島東洋カープが本拠地としていた広島市民球場の跡地という最適な場所が原爆ドームの向かい側にあるということを考慮すると、私は驚きを隠せない。
おそらく日本で唯一の街中にあるスタジアムとなり、コミュニティーにとっても素晴らしきカンフル剤になり得る。そして、平和の街としてのみならず、スポーツの街としても広島にスポットライトを当てることになるだろう。
私はサッカー専用スタジアムについて論じているが、もちろんサンフレッチェの試合以外にも用途はあるだろう。平和記念公園のそばにあることから、たとえば代表戦の会場としては理想的なスポットになるだろうし、もしも収容人数がサムライブルー(フル代表)の試合に充足していなければ、せめて世代別代表やなでしこ(女子代表)の試合を定期的に開催することはできないだろうか。
新スタジアムがユース年代の国際大会を主催することはもちろん可能だろう。また、“サッカー専用スタジアム”と呼んでこそいるものの、ラグビーやアメリカンフットボール、また音楽のライブイベントなどに用いることも可能だと考える。非常に便利な立地にあるため、市街部におけるビジネスの増進にも一役買うのは間違いないだろう。
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