魅力的なサッカーとドラマチックな歴史
私が1994年に日本に移住した時、日本のプロのサッカークラブはわずか12しかなかった。当時はJリーグクラブのない町に住んでいたため、サンフレッチェ広島に共鳴するようになったが、それにはおおよそ2つの理由がある。
1つ目は単に、広島がとても魅力的なサッカーをしていたということだ。その年の広島は1stステージを制覇し、タイトルへの挑戦権を得ていた。
そして、サンフレッチェに心を奪われたもう1つの理由は、広島のようにドラマチックな歴史を持つ都市にサッカーチームがあるということに、ただならぬ意義深さを感じたからだ。
他の多くの外国人と同様に、私はかつてヒロシマという名前に原爆とその惨劇を連想していた。しかしながら、サンフレッチェのおかげで、私は全く新しい広島を見ることができた。
21年の月日が経った今でも、これら2つの理由は未だ根強い。実のところ、これらの理由はより実際的なものとなった。サンフレッチェは現在のアジアにおいて最高のクラブのひとつであり、この4年で数々の国内タイトルを獲得し、広島県を代表してAFCチャンピオンズリーグ、そしてFIFAクラブワールドカップにも出場した。
クラブはこれだけの成功を収めているのだから、都市としての広島は自らのサッカークラブを促進し、またクラブを用いることで自らの世界的なイメージを押し上げることが可能であり、そしてそれらを行うべきなのではないかと私は感じている。とりわけ、サンフレッチェは新たなスタジアムを必要としているのだ。