見失ったスタイルを取り戻せるか
ドルトムントは勝ち点1を、つまり引き分けでも首位通過が確定するが、クラスノダールはこの試合でドルトムントに勝てば、突破が決まる。アウェイで勝ちに来る相手に対して引き分けを狙うのは、簡単ではない。
そんな「厄介な試合」においては、結果としての引き分けを前提として「勝つために」試合に臨むことが得策と言えそうだ。
クラスノダールが「厄介な相手」であることは、既に9月17日のホームに迎えた一戦で証明されている。ママエフに先制を許し、後半のアディショナルタイムに、ようやくパク・チュホのダイビングヘッドで2-1と相手を振り切ったように、苦戦を強いられた。
辛勝の後に、香川は「カウンターが怖かった」と口にした。20日にHSVのショートカウンターに沈んだように、ポゼッションを高めて、特に両SBが高い位置を取るBVBは、依然として「カウンター」を苦手とする。HSVがそうしたように、クラスノダールもSBの裏のスペースを虎視眈々と狙うだろう。
9月のホームの試合の後で、また香川は「ちょっとチームとして、新しい選手が増えて、まだまだ連係面では課題はあると思う」と述べた。当時、香川が口にした「リズム」、「ボールの距離感」、「パスの回し方」、「ポジショニング」、「味方のフォローの質」…精彩を欠いたHSV戦の後で、さらに主力の3人を欠いて、そうした「課題」が改めて問われることとなりそうだ。
BVBは、レヴィアダービーで見せたような、代表ウィーク前の勢いを取り戻せるか。アウェイのクラスノダール戦で、グループCの首位通過を決めることが出来たなら、一度は見失ったスタイルを再確認することが出来るはずだ。
ドルトムント練習風景
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