トゥヘルのサッカーは“特注の仕立て服”
9月23日のホッフェンハイム戦の前には、監督トゥヘルも「どれだけ時間がかかっても構わない。彼の復帰を待っている」と述べていたシャヒンが、遂に「復帰」したのだ。
シャヒンは中盤のオーガナイザーであり、コンダクターである。6番も8番もできる。[6対6+2フリーマン]のメニューでは、ギュンドアンとシャヒンがフリーマンとしてピッチに立った。まだトップフォームからは遠かったが、戦列にも加わるようになれば、インサイドハーフが起用ポジションの第一候補となるのだろう。
またシャヒンであれば、現在は主にバイグルが務めるワンボランチもこなせるはずだ。ハンス・ヨハヒム・ヴァツケ社長は、19日付の『キッカー』誌に対して「我々がトゥヘルの下で行っているフットボールは、ヌリ(・シャヒン)にとって注文仕立てのようなものだ」と述べている。
つまりシャヒンにとって、トゥヘルのサッカーは“特注の仕立て服”といったところだろうか。まさにぴったりという訳である。
さらにシャヒンがコンディションを取り戻せば、香川、ギュンドアン、バイグルの誰かが疲労を蓄積したとしても、効果的なローテーションを採用することが可能となるだろう。
翌年の2月からは、ELの決勝トーナメントも始まる。『キッカー』誌は、シャヒンについて「27歳のフットボーラーは後半戦に向けたドルトムントの最初の新加入選手である」と記した。今後も続く過密日程を乗り切っていくためにも、27歳のトルコ代表は、BVBにとって欠かせない存在なのだ。
ヴァツケ社長は「トゥヘルの戦術的な柔軟性の中は、どのフットボーラーにとってもとても良い場所なのだ」とも述べている。
シャヒンの復帰はまた、新たな可能性と競争を引き出し、BVBの中盤を活性化させることに繋がるだろう。
ドルトムント練習風景
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