リオ五輪予選は「本当に厳しい戦い」
もう一つわかりやすい例を挙げれば、今年夏のU-21欧州選手権でリオデジャネイロ五輪出場権を獲得したU-21ドイツ代表(大半が五輪代表に引き継がれる)は、メンバーのほとんどがブンデスリーガ1部で主力として活躍している選手だった。
いまのU-22日本代表の選手たちにトップレベルでの経験はどれほどあるだろうか。この世代は2011年のU-17W杯に出場して以降、主要な国際大会に出ていなければ、普段のリーグ戦で毎週真剣勝負に臨んでいる選手も少ない。
他のアジアの同世代たちは主要な国際大会で結果を残している。象徴的だったのは2013年のU-20W杯に出場したイラク代表が世界を相手に準決勝まで勝ち進み、ウルグアイ代表をあと一歩まで追い詰めたことだろう。
来年1月にはリオデジャネイロ五輪出場権をかけたアジア最終予選が始まる。U-22日本代表でキャプテンを務める遠藤航は「本当に厳しい戦いになるのは間違いない。簡単に勝てる相手ばかりではない。五輪に出て当たり前という意識で戦うと足もとをすくわれる」と語ったが、その通りブラジルへの道のりは非常に厳しいものだろう。
そして遠藤は自分たちの置かれている現状をよく理解している。「自分たちはU-19から結果を残せていないし、そういう意味でチャレンジする気持ちをみんなが持つことが大事」と語り、日本があくまで挑戦者の立場であることを強調した。国際舞台での経験不足はアジアでの戦いも難しくする。