過ぎ去った時間は取り戻せない
アデミウソンのような選手がいる一方で、日本の同年代の選手たちはどうだっただろうか。同じようにリオデジャネイロ五輪を目指すU-22日本代表のメンバーで、J1でもコンスタントなプレー機会を得ている選手はどれだけいただろうか。
A代表の準レギュラーまでステップアップを遂げた遠藤航は湘南ベルマーレをけん引する文句なしの活躍で評価を高めたが、それ以外には川崎フロンターレの大島僚太、浦和レッズの関根貴大、ヴィッセル神戸の岩波拓也、横浜F・マリノスの喜田拓也といったほんの数人しかJ1でレギュラーになれていない。
一方で過去を振り返るとロンドン五輪でも北京五輪でも主力はJ1でレギュラーを張っている有望な選手たちだった。彼らはいまのA代表のベースにもなっている。
たとえば北京世代には本田圭佑や長友佑都、西川周作、吉田麻也、森重真人、内田篤人、岡崎慎司、香川真司がいた。ロンドン世代には権田修一や永井謙佑、山口蛍、酒井宏樹、酒井高徳、宇佐美貴史、清武弘嗣らがいた。
世代別代表だから将来有望な若手であればいいというかもしれない。これからA代表で活躍してくれればいいのかもしれない。確かにそうだ。
しかし、若い時の経験不足を後で補うことはできない。時間の流れを巻き戻すのは不可能だからだ。
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