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クラシコが突きつけたバルサとの差。問題は指揮官にあらず。レアルにはびこる根深い課題

text by 山本美智子 photo by Rafa Huerta

試合の前に勝負はついていた?

 ピケは例外としても、ブスケツ、アルバ、セルジ・ロベルトといった選手は、確かにクラブとしてお金にはならない。なぜなら、ユニフォームが売れるわけでもなく、彼らを理由にスポンサーとの交渉が有利になるわけではないからだ。

 だが、ネイマール、スアレス、メッシだけではチームは機能しない。クリスティアーノ・ロナウドやベイル、ベンゼマが、今回得点できなかったのはクラウディオ・ブラボがスーパーセーブをみせたことだけが原因ではない。レアル・マドリーのボールポゼッションは、試合全体を通して実に4割を切っていたのだ。これでは、一概に攻撃のみを責めるわけにはいかないだろう。

 まだリーグ戦は長い。クラシコの結果、勝ち点6点差になったところで、リーグ優勝の行方が決まったわけではないと選手は口を揃えて優等生的発言を行なっているが、内心ではリーグ優勝への流れが決まったと感じているに違いない。

 クラシコの日、バルセロナは当日の朝にマドリードへ向かい、前日も各自の家で休めるように配慮した。一方、ホームで迎え撃つ側のレアル・マドリーは、前日から練習場に隣接している宿泊施設に全員を集め、緊張感を高めた。

 また、世界が注目するビッグマッチにバルセロナは前日記者会見にルイス・エンリケ監督とは別にキャプテンのイニエスタを、前々日にはルイス・スアレスを用意し世界から訪れるメディアを迎えたが、余計な雑音を抑えたいという現れか、レアル・マドリー側は記者会見に選手を全く出さなかった。

 試合の前に、既に勝負の一部がついていたのかもしれない。クラブとしてのメンタリティの立て直し、チームモデルの再編等、このクラシコを通してレアル・マドリーが抱えた課題は大きい。

【了】

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