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Jリーグ 9年前

【識者の視点】アジアの頂点を決めるに相応しいACL決勝。Jリーグが再び辿り着くために必要なこと

text by 河治良幸 photo by Getty Images

最後までスリリングな状況が続いた第2レグ

 前半のロスタイムにも似た様なシーンがあったが、その時はアル・アハリのディフェンスにギリギリのところでクリアされており、広州が狙っていた形であることが分かる。その後もリズム良く攻撃を繰り出す広州に対し、アル・アハリのDFサルミーンが相手陣内に近いところでジェン・ロンにラフプレーを見舞ってしまい退場を命じられた。

 これでほぼ勝負は付いたかに思われたが、[4-4-1]に修正したアル・アハリは自陣で広州の攻撃に耐えながら、エベルトンの正確なパスとリマの走力を前面に押し出す鋭いロングカウンターで同点ゴールを狙った。

 86分にはエベルトンのダイナミックな左へのサイドチェンジからアサイディがクロスを上げ、全力疾走のリマがゴール前で合わせるという決定的なチャンスがあったが、前半の途中で負傷したジェン・チェンに代わり入っていたGKリ・シュアイが勇敢な飛び出しから見事なビッグセーブを見せ、ホームチームのゴールを守り抜いた。

 アル・アハリが勝負を諦めなかったことで最後までスリリングな状況が続いたが、CKを広州のディフェンスがクリアしたところでタイムアップとなり、2015年のアジア王者が決定した。

「優勝トロフィーがすぐ近くまで来ていた」と悔しさを表したアル・アハリのオラロイ監督だが、広州の持つクオリティの高さを認めていた。両者のディフェンスは互角だったが、攻撃の崩しの部分で広州の方が上回っていたのは確かだ。

 ブラジル国籍の3人にどうしても注目は集まるが、前述のジェン・ロンに加え、ボランチから巧妙に攻撃参加した10番のジェン・ジー、機動的なオフ・ザ・ボールを見せるファン・ボエンなど、ブラジル人に依存することなく攻撃に絡んでいたのが印象的だ。

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