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Jリーグ 9年前

【識者の視点】アジアの頂点を決めるに相応しいACL決勝。Jリーグが再び辿り着くために必要なこと

広州桓大の優勝で幕を閉じたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)。アル・アハリとの決勝戦はファイナルと呼ぶに相応しいハイレベルな戦いが展開されていた。来シーズン以降、その舞台にJリーグ勢が到達するために必要なこととは?

text by 河治良幸 photo by Getty Images

攻撃にアクセントをつけた広州桓大のブラジル人トリオ

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エウケソン【写真:Getty Images】

 アジアの頂点を決めるに相応しいファイナルだった。第2レグが行われた天河体育中心には4万人を超える観客が押し寄せたが、9割は赤いレプリカ・ユニフォームに身をつつんで広州桓大に熱い声援を送った。

 スコアレスドローに終わった第1レグからお互いに高い攻撃のクオリティは見せたものの、それ以上に守備のバランスの良さ、ゴール前での堅固さが上回り、なかなか決定的なゴールチャンスに結び付かない。守備のベースがしっかりしているからこそ、ここまで安定して勝利を積み重ねてきたことは明らかだ。

 両者とも[4-2-3-1]だったが、違っていたのはアル・アハリが固定的なポジションで攻撃自体もシンプルに1トップのリマや2列目の右サイドに位置するエベルトンなど、前4枚の個を活かすスタイルであるのに対し、広州はパウリーニョ、グラール、エウケソンのブラジル人トリオを中心に流動的なパスやフリーランで多彩にアクセントを付けていたことだ。

 特に目立ったのが左利きのジェン・ロンで、前半は主に右サイド、後半は左にポジションを移し、グラールやエウケソンの周りで前を向いてボールを受け、長身のサルミンが統率するアル・アハリのDFラインを脅かした。そこに右サイドバックのリーペンが鋭いオーバーラップからクロスを上げるなど、後ろからの攻撃参加も多かった。

 その意味では、じわじわと相手を押し込んだ広州が得点をあげるのは必然だったのかもしれない。

 その瞬間が訪れたのは54分。アル・アハリの敷くブロックの手前から右サイドに展開すると、ワイドに流れたグラールからボールを受けたジェン・ロンが相手の守備を引き付けながら、ディフェンスの背後にスルーパスを通す。そこにタイミング良く動き出したエウケソンが華麗なファーストタッチでDFのサルミーンをかわし、右足アウトでゴールを決めた。

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