負傷者続出で見せた対照的な対応策
サンチャゴ・ベルナベウでの0-4。世界中が注目する一戦、エル・クラシコ。レアル・マドリーがホームで4点差以上の敗戦を喫するのは08/09シーズンの2-6以来3度目となる。今回は完封負けということを考えると、過去最悪の結果とも言えるかもしれない。
このような結果に終わった要因を探ると、それは試合前の段階で決まっていたように思う。
今シーズンここまでの両チームを振り返ると、最も目につくのが負傷者の多さだろう。マドリーはガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、ハメス・ロドリゲスといった攻撃の主軸がこぞって離脱。対するバルサも序盤にダニ・アウベスやアンドレス・イニエスタを欠き、今節まではリオネル・メッシという絶対的エースが戦列を離れていた。
そういった状況の中で、両チームの指揮官がとった対応策は非常に対照的だったといえる。
マドリーのラファエル・ベニテス監督は、守備的MFのカゼミーロにアンカーという役割を与えて中盤の安定感を強化。システムもシーズン当初の4-2-3-1から4-3-2-1と変え、より守備力を高めることで乗り切る方針をとった。
対してバルサのルイス・エンリケ監督は、チームとしての形や闘い方は変えずに離脱者のポジションに別の選手を当てはめるだけ。ダニ・アウベスの穴こそセルジ・ロベルトが埋めたものの、イニエスタとメッシの穴は全く埋めることはできなかった。
それでも攻撃の中心をメッシの右サイドから左サイドのネイマールに変えたことでスアレスとのコンビが爆発的な得点力を発揮。結果的にメッシの離脱によってチームは新たな攻撃パターンを習得することができた。