香川が悔やむ前半の2失点
そして17分のショートカウンター。ハードワークの末に掴み取ったPKは、ラソッガが決めた。1-0。
序盤からドルトムントは精彩を欠いた。香川は「試合の入りも、雰囲気的にも、親善試合の雰囲気を感じていましたし、こんな雰囲気は初めてに近い」と振り返っている。
HSV対BVBの試合の「雰囲気」には、少なからず、ドイツ代表も巻き込まれそうになったテロの事件の影響もあっただろう。また香川は「代表明けでみんな切り替えが中々難しい」とも言う。様々な要素が絡み合って、ドルトムントはいつものリズムを作り出せなかった。
コンパクトでアグレッシブなHSVが、BVBを苦しめ続けた前半の40分、ギンターのバックパスを、ミュラーがかっさらう。タメて、シュメルツァーの裏に抜け出したホルトビーにパスを出す。ホルトビーは右足で流し込んだ。2-0。
香川は「あれが全てだった」と言う。香川の言う「あれ」とは、前半の2失点のことである。
「前半はとりあえず、どんな形であれ、0で抑えたり、0-1で抑えられれば、最低限の試合はできたと思っていたんで、そういう意味では2点目の失点は凄く大きかったです」
既に勝負は前半で決していた。55分にはフンメルスのオウンゴールで、リードは3点に広がった。86分にオーバメヤンがゴールを決めるが、遅すぎた。
試合はHSVが3-1でBVBを下している。
HSVの勇気と戦略が勝利した、ドルトムント戦だった。
【了】