2015年、抜け出せなかった3枚看板への依存症
中盤からのミドルシュートも9月のカンボジア戦(埼玉)の吉田麻也(サウサンプトン)の1点くらい。リスタートも柏木が入る前は皆無に近かった。やはり日本はまだまだ攻撃バリエーションやアイディアの不足が顕著ということだ。
攻撃が硬直化する大きな背景として、本田、岡崎、香川への得点力の依存がある。今年1年間で本田は10点、岡崎が7点、香川が4点と、彼ら3人のフィニッシュ頼みなのは、アルベルト・ザッケローニ監督時代からまるで変わっていないのだ。
とはいえ、2016年には本田と岡崎が30歳の大台を迎え、香川も27歳とベテランの域に達する。が、本田も岡崎の所属クラブでの出場時間が減って苦境に立たされ、香川も代表に来ると良さを出し切れないことが続いている。
いつまでも彼らに頼っているわけにはいかないのだ。彼らに代わる確固たる得点源を見出さなければならないのに、それが進まないからこそ、日本は頭打ち状態に陥っているのではないか。
10月のイラン戦(テヘラン)と11月のシンガポール戦で連発した武藤嘉紀(マインツ)の台頭は明るい材料だが、まだ安定感はない。ハリル体制で2点を挙げている宇佐美貴史(G大阪)も中へ中へと入る傾向が強すぎて、ゴール前を分厚くするアジア勢相手だと守備の網にかかりがちだ。
他のアタッカー陣もゴールの部分では本当に物足りない。その壁を誰かが破らないと、2016年以降も苦戦を強いられることは間違いない。「今日の前半みたいなサッカーをしていると、最終予選も危ないかなと思います」と長友佑都(インテル)も重大な警告を発していた。
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