2ステージ制が復活した今季のJ1は、年間3位争いが最終節までもつれることとなった。
FC東京がここまで獲得した勝ち点は62。2008年に記録した55をすでに更新するなど、勝利を追求するチームはしっかり結果を残してきた。
マッシモ・フィッカデンティ監督のもと、隙を与えぬ守備が大きな武器となった。我慢強く相手の攻撃を抑え、チャンスを確実に仕留めて勝利を拾う。“ウノゼロ”(1-0の勝利)の美学が宿るチームは、こうして年間3位で最終節を迎えることとなった。
一方で、そこに娯楽性があるかといえば疑問は残る。以前のFC東京は攻撃重視の“イケイケなサッカー”が特徴で、テンポの良いパスワークやスピード感のある崩しで見る者を魅了した。
過去と比較した時、マッシモ・トーキョーにエンタメ性が欠けるのは事実だろう。だが、勝利こそ最大のスペクタクルという見方もできる。面白いサッカーを展開しても脆かったのがこれまでのチームカラーだったが、現実を見つめ愚直に勝ち点3を目指し、そして結果を掴むのが今のFC東京だ。
世界的に見ても、その国の首都クラブは強者がほとんどだ。FC東京にもそろそろリーグタイトルが欲しいところ。イタリア人指揮官に率いられた今季は、そのチャンスがある。だからこそ最終節でサガン鳥栖に勝利し、チャンピオンシップに進出しなければならない。
舞台はホーム、味の素スタジアム。青と赤に染められたスタジアムで、FC東京はサポーターとともに喜びを掴むことができるだろうか。今季最も重要な試合が、始まろうとしている。
FC東京 チケットの購入はこちらから
【了】