香川に求められる工夫
岡崎もトップ下・香川とのタテ関係を、大いに重視しているという。
「1トップとトップ下の関係はセオリーというか、それを意識するのは重要なこと。ダイレクトプレーやリズムの変化をつけながらシュートを打つとか、いろんな工夫が必要になってくる。
人数をかけて守ってくるカンボジア戦でゴールを奪おうと思うなら、自分としては抜け目なく相手のミスを突いたりとか、ミドルシュートのこぼれを狙うことをやっていきたいし、相手より先にクロスに触って決めるというイメージも大事にしたい」と彼は具体的なゴールへのビジョンを口にした。
つまり、香川は岡崎に点を取らせるためにも、9月のアフガニスタン戦(テヘラン)の先制点に象徴されるようなミドルシュートを貪欲に狙ったり、時には外に開いてクロスを入れるような工夫を凝らす必要がある。
じっと真ん中にいてボールを触っているだけでは相手は崩れないし、攻めが単調になってしまう。ひいては自分自身の得点機も訪れない。そこはしっかりと肝に銘じた方がいい。
このように、彼ら2人にはそれぞれにやりたいプレーがあり、理想とするゴールへの道筋がある。それをピッチ上で瞬時にすり合わせていくことが、抜本的な決定力不足解消につながる。
とりわけ今回は、本田圭佑(ミラン)や長谷部誠(フランクフルト)ら常連組が先発出場しないことも考えられるだけに、攻撃の中核となる2人がチーム全体を力強くけん引しなければならない。
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