「理想のゴールを奪うにはコンビネーションが一番」
カンボジア戦で日本の3大得点源のうちの2人が多彩な得点パターンを披露してくれば、チームは一層、活気づくに違いない。そのゴールへの道筋をどう共有していくか…。それが、今回の彼らに課せられた重要テーマと言える。
「相手はホントに11人で守ってくるし、僕たちも人数をかけてゴール前に進んでいかなきゃいけない。前回のカンボジア戦を改めて見ましたけど、攻撃の枚数も迫力が足りないし、タイミングも距離感もよくなかった。もっと全員が攻撃を意識してサポートに回らなきゃいけない。ゴールを意識するのも大事だけど、最後のところのイメージの共有がより重要になってくる。
やはり理想のゴールを奪うにはコンビネーションが一番。特に引かれた相手の場合、一瞬のスペースを作る動き、そこを生かす動きが噛み合って、初めてゴールが決まる。みんなが試合の中で流動的にやれればいいと思う」と香川は『流動性』という1つのキーワードを口にした。
ボルシア・ドルトムントでプレーする時の彼は確かに幅広いエリアを自由自在に動いて、空いたスペースに顔を出し、ゴールチャンスを伺っている。もちろん得点よりゲームメークの比重が高いものの、完璧な決定機の数はドルトムントの方が断然多い。
日本代表ではそこまで高度な流動性と連係が確立されていないから、彼はいつも窮屈そうに動いている。自陣にブロックを敷いてくる相手なら息苦しさはなおさらだ。それを踏まえたうえで、周囲と自由自在にポジションを変えたり、緩急の変化をつけながら、より自分らしいリズムを追い求めていくべきなのだ。
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