コンサート会場では100名以上が犠牲に
大惨事は免れたスタッド・ド・フランスとは対照的に、パリ市内ではバイオレンス映画さながらの惨劇が起きていた。
10区にある人気のカンボジアレストランでは、テラスで食事していた人たちめがけて銃が乱射されて14人が命を奪われ、11区のカフェでも同じく銃の乱射で19人が帰らぬ人となった。
1500人が集まっていたコンサート会場では、100名以上が犠牲になった。脱出した人たちの目撃談によれば、4人の男が乱入し、四方八方めがけて銃を乱射したという。デスメタル系のコンサートだったこともあり、ここでもやはり最初は「余興か?」と人々は思ったらしい。
しかしそれが本物であると気づくと、場内は地獄絵巻と化した。倒れる人たちの上を踏みつけながら命からがら逃げ出したという人たちの表情にあったのは、助かったことの安堵感よりも、味わった恐怖感だった。
観衆の中には、フランス代表としてドイツ戦を戦っていたグリーズマンの妹もいた。アトレチコ・マドリー所属のMFは明け方になって、「妹が無事に帰宅できたことを神様に感謝する」とツイートした。