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日本代表 9年前

【現場記者の目】明暗分かれた代表定位置争い。存在価値高めた3人、不完全燃焼の2人。その胸中を追う

text by 元川悦子 photo by Getty Images

遠藤保仁の後釜に名乗りを上げた柏木

 口滑らかだったのは、やはり柏木だ。

「やたらみんなから記事が送られてくる。『こういう記事書かれていたよ』みたいな。ラインでいっぱい来たけど、確かに反響は大きかった」と約3年ぶりの代表スタメンの価値を本人も改めて実感した様子。

 自分がボランチに引いてゲームを組み立てる浦和と違って、代表ではより中央を厚くしながらシンプルなパス交換ができる。そこが彼にとってのやりやすさだったという。

「イメージ的にはヤットさん(遠藤保仁=G大阪)を意識したい。今まで左利きのボランチはいなかったんで、左利きにできることを考えて取り組んでいきたい」と本人は新たな独創性を追求していく構えだ。それを実際に見出し、このチャンスを確実につかめるかどうかが、彼の代表定着のカギになるだろう。

 森重もヴァイッド・ハリルホジッチ監督就任後は槙野の控えに回ることが多かったが、シンガポール戦の攻撃参加は見る者の目を引いた。とりわけ、金崎の先制点の起点となったパス出しは本人も納得のプレーだった。

「うまく陽介とパス交換しながら前線へ送るパスコースを探したし、リズムよく後ろからテンポよくボールをつなげたので前にも入れやすかった。前も動き出しやすかったんじゃないかな」と手ごたえをつかんだという。

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