充実感溢れる表情を見せたシンガポール戦後
「そうしたらムウは『嬉しいです』と言ってくれました。11月30日までには契約上でいろいろと決めることになっているので、(詳しい話は)そのころになると思います」
約9ヶ月の在籍に終わったニュルンベルクでは4試合の出場にとどまった。捲土重来を期して移ったポルトガルリーグ2部の戦いの場では、おそらく日本人の想像も及ばない困難に直面したはずだ。
だからこそ、約2年半ぶりにJリーグの舞台で記したパフォーマンスが認められた証となる、完全移籍のオファーが金崎のモチベーションを否が応でも高める。
鮮やかな左足ボレーから代表初ゴールを叩き込んだ前半20分の直後を含めて、シンガポール代表戦でフル出場を果たした金崎は充実感あふれる表情を何度もテレビ越しに見せた。
トリニータ時代から、自分が信じたことをほとんど曲げない一本気の性格を貫いてきた。いま現在も思うところがあるのだろう。アントラーズでも、そして日本代表でもメディアに自分の言葉で語る機会は訪れていないが、金崎が胸中に抱く思いはその一挙手一投足から熱すぎるほど伝わってくる。
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