ハリルホジッチ監督も関心を寄せた強さ
そして、夏場から1対1の攻防を意味するフランス語「デュエル」を選手に求めてきた、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も当然のように金崎へ関心を寄せる。
指揮官本人もしくはコーチ陣がアントラーズの試合を視察するときには柴崎岳、昌子源、遠藤に加えて、夏場からは金崎がチェックすべき選手のリストに加えられるようになった。
迎えた11月5日。シンガポール、カンボジア両代表と敵地で対戦するワールドカップ・アジア2次予選に臨む代表メンバーに、約5年ぶりの復帰となる金崎の名前を書き込んだハリルホジッチ監督は、ずっと追ってきた選手と位置づけた上で、26歳のFWを招集した理由をこう説明している。
「(いままでの日本代表は)真ん中に少しパワーが足りなかった。センタリングを有効に利用できる選手がいないか探していた。国内に若い選手を含めて何人かFWはいるが、今回は金崎をダイレクトに見てみたい。
彼はここ数ヶ月、かなりいいプレーをしている。真ん中だけでなく、たくさんの場面に動いてくれる。身体の大きさはそこまでではないが、デュエルのなかで体を使えるし、戦う意識がある。ヘディングも上手い」
マリノス戦後に金崎がハリルジャパンに合流したことで、金崎の代理人をまじえた交渉はまだ行われていない。一方で鈴木強化部長はすでに金崎と個人的な話し合いの席をもち、完全移籍に切り替えたいというアントラーズとしての考えを告げている。
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