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日本代表 9年前

金崎が5年ぶり代表復帰戦で見せた新たな姿。心技体が完璧なハーモニーを奏でた鹿島での日々

text by 藤江直人 photo by Getty Images

金崎を見つめる鈴木優磨。若手の成長にも好影響

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鈴木優磨【写真:Getty Images】

 それでも来シーズンへと可能性がつながっていくと、鈴木強化部長は力を込める。

「かつて三冠をとったときによく見られた、相手のボールホルダーを数人で囲んでボールを奪うディフェンスが復活してきている。マリノス戦でも強かったときの鹿島のような、相手をじっくりと料理していくサッカーができていた。これをベースにしていきたいという思いがあるから、名古屋にしっかりと勝って、自分たちのなかにちゃんと残していかないといけない」

 鈴木強化部長が描く来シーズンの青写真。その最前線の軸として位置づけられる金崎がアントラーズに与えている効果は、何もピッチ上におけるパフォーマンスおよび結果だけにとどまらない。

 ユースから昇格を果たしたルーキーで、9月12日のガンバ戦でリーグ戦初出場初ゴールの快挙を達成した19歳、FW鈴木優磨は金崎の眩しい背中を常に見つめている。

「自分のプレースタイルに一番近いフォワードの選手。あの人からどれだけ盗めるか。前線で体を張るところや、ゴール前にどんどん姿を現すところなどを盗んで、自分のプラスにしていきたい」

 鈴木のサイズは180cm、68kg。金崎とほぼ同じだからこそ、偶然にも同じシーズンからチームメイトとなった先輩のすべてを脳裏に焼きつけている。

 10月17日の柏レイソル戦。後半24分に金崎が同点ゴールを決めれば、アディショナルタイムには途中出場していた鈴木がプロ2点目となる決勝ゴールを決めて初の揃い踏みを果たす。

 U‐22日本代表候補にも名前を連ねる、アントラーズの次代が託されるホープの成長を加速させる役割をも、金崎は自然体を貫くなかで担っていることになる。

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