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長友佑都 9年前

データが証明する長友復活の要因。セリエAトップクラスの“走り”が生み出したライバルとの明確な違い

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

プレシーズンは構想外も…長友が示した重要な指標

データが証明する長友復活の要因。セリエAトップクラスの“走り”が生み出したライバルとの明確な違い
長友のスピードはリーグ屈指の俊足を誇るジェルビーニョをも上回った【写真:Getty Images】

 プレシーズンでSBとしては構想外のような扱いを受け、第2節のカルピ戦以来出場からも遠ざかっていた長友は、急激に失地を挽回しスタメンに返り咲いている。その充実ぶりは、フィジカル面でのデータを見るとはっきりと出ている。

 久々の先発出場となったパレルモ戦でも、走行距離は11.688kmと両チーム合わせて1位(そのうちスプリントによる走行距離計はやはり1.526kmに達している)。

 俊足のジェルビーニョやモハメド・サラーを抑えたローマ戦では11.953km、そして試合中の最高速度は時速33.07kmに達していた。これはサラーとほぼ互角(33.28km/h)、ジェルビーニョ(31.51km/h)よりも速かった。

 もちろん「ボールは汗をかかない」というヨハン・クライフの有名な格言にもある通り、多く走るという数字は常に優位性を持っているわけではない。

 ただやはりスペースへの走り込みやプレスなどハードワークを要求するスタイルにおいては、選手の仕事量を表す重要な指標となることもまた確かだ。

 そしてその意味において、長友はチーム内の競争相手に対しても明確な違いを示した。序盤戦で多く出場機会を得ていたダビデ・サントンも、またアレックス・テレスも、試合中に叩き出した走行距離は芳しくなかった。

 そもそも序盤のインテル自体が運動量という点ではリーグでも下位に位置し、第6節フィオレンティーナ戦で大敗を喫してからは2試合連続のドロー。その間はチーム合計の走行距離も常に相手に下回っていた。

 だが第9節パレルモ戦からその傾向は変わり、ローマ戦、トリノ戦では明確に数値の上で走り勝っている。その間に長友が台頭してきたことは、決して無関係ではないはずだ。

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