高校の先輩、岡崎も認める“体の強さ”
この一挙手一投足をベンチで見守っていた1トップの先輩・岡崎は、同じポジションを争うことになった滝川第二高の2つ下の後輩の目覚ましい成長を、素直に認めていた。
「まずゴールを決めたことでFWの役割を果たしたし、チームが苦しい時にボールキープもした。今までのあいつはそういうタイプじゃなかったんで、すごく体が強くなったなと。
ポルトガルだったり海外ですごく頑張った分、伸びたところがあるんじゃないかと思います。やっぱりアジアで1トップが求められる仕事はゴールが全て。夢生のゴールがなかったら、結果的に苦しい状況が続いていたと思う。どんなチームもそうだけど、メンバーを固定するのはよくないし、今のうちにいろんな選手が力をつけていくのは重要」と金崎との競争激化を前向きに捉えていた。
「体が強くなった」というのは他の選手が口々に語っていた部分。長谷部誠(フランクフルト)も「彼は体を張れますし、ボールも収まるのでポストプレーはよく機能してました。正直、最近の彼のプレーはあまり見てなかったんですけど、2日間の練習でもいいプレーをしていた。ゴールに向かう動きも非常にいいものを持ってる。そういう生かせればいいかなと思ってやってました」と前回代表招集された5年前とは比べ物にならないほどの力強さを感じたようだ。
金崎が最前線でプレーシャーを受けてもびくともしなくなったのは、日頃から続けている体幹強化の効果も大きいだろう。今回の代表合宿でも、ピッチに真っ先に現れて1人で黙々とチューブを使ったトレーニングを繰り返す姿があった。
これは鹿島でも日常茶飯事に見られること。当たりの厳しい海外で生き抜いていくための知恵と経験を、彼は表舞台から離れていた3年間で手に入れたのだろう。
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