多彩な攻撃センスを随所に発揮した金崎
1トップ・金崎夢生(鹿島)、トップ下・清武弘嗣(ハノーファー)、左FW・武藤嘉紀(マインツ)、左ボランチ・柏木陽介(浦和)…。
12日の2018年ロシアワールドカップアジア2次予選・シンガポール戦で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が送り出した攻撃陣は、これまでの「常連組」とは全く異なるものだった。
国際Aマッチ47得点の岡崎慎司(レスター)、同23得点の香川真司(ドルトムント)のセンターラインを揃って外すという大胆采配は過去にないもの。それだけ指揮官は新戦力のパフォーマンスに確信を持っていたということだろう。
こうした期待に彼らはしっかりと応えた。清武は幅広く動いてリズムを作り、武藤も久しぶりの左サイドで力強さとゴールへの執着心を披露。柏木は小気味いいボールの出し入れで中盤に新たな活力をもたらした。
この3人以上を上回る絶大なインパクトを残したのが、前半20分に先制ゴールを奪った金崎だ。今季の鹿島アントラーズで見せているように、相手を背負ってタメを作る力強さは大いに光っていた。一瞬のスキを突いて裏へ飛び出したり、得意のドリブル突破で局面を打開したりと、彼は多彩な攻撃センスを随所に発揮。前線からの献身的な守備も怠らなかった。
得点シーンも本田圭佑(ミラン)の右クロスを武藤が頭で折り返したところに反応し、胸トラップから左足を振り抜くという華麗なプレーで、ハリルホジッチ監督も「金崎は難しい1点目を美しく決めてくれた」と絶賛。
ドイツのニュルンベルク、ポルトガル2部のポルティモネンセでの3年間の武者修行の成果を如何なく出したと言っていい。