武藤と金崎はサイド攻撃からゴールを仕留められるか
ペナルティエリア内でゴールを仕留めるために最後は1トップの仕事が最も重要になる。サイドを起点にして相手のディフェンスを開いても、引いて守りを固められれば結局はスペースも限られたものにしかならない。そこを一瞬で突くスピードと質が求められるが、武藤嘉紀はその資質を十分に備えている。
指揮官には動き出しのところでより“オブリック・ランニング”(ターンを織り交ぜながら斜めに飛び出す様にDFの裏を取る動き)を工夫するように指導されている様だが、2トップや1トップで定着してから、小さいスペースに飛び込んで速いクロスに合わせたり、フィニッシュに持ち込むプレーが向上しており、多少のコンタクトがあってもバランスを崩すことなくボールに合わせる能力もある。
後半33分から出場したシンガポール戦はウィングだったが、センターFWとしての起用が予想される今回はよりストライカーとしての資質が問われることになる。
よりサイドからのクロスを活かすという意味では高い身体能力と機動力を兼ね備えた金崎夢生も有効なオプションだ。日本人選手の中では最もペナルティエリア内で仕事できる1人であり、この試合で大きな仕事ができれば最終予選に向けて大きな武器になりうる。
ハリルホジッチ監督が試合の流れを見ながらどう有効なカードを切っていくのか、時間の経過とともにベンチワークが重要性を増すが、なるべく早い時間帯のチャンスをものにして、ゴールを積み重ねられる展開に持っていきたいところだ。
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