サイドからフィニッシュに絡むプレーが求められる原口
サイド攻撃といってもゴールは中央にあるため、結局はそこでいかに勝負できるかがゴールに直結する。ウィングの選手にはサイドで起点になるプレーとゴール前に飛び出してフィニッシュに絡むプレーが求められるわけだが、原口元気にはその両方を同じ流れの中でやり切る能力がある。
「16メートルにもっとも入ってほしい」と指揮官から期待される原口だが、ウィングの選手が常に中央にポジションを取ってしまうと、相手ディフェンスに中央を固められてしまうため、最初はなるべく幅を取って、そこから素早いカットインやオフ・ザ・ボールの動きで侵入したいところだ。
そこでボールを受けたら直接シュートを狙う手もあるが、香川真司あるいは清武弘嗣といった中の選手とワンツーを使ってペナルティエリアに入り込むプレーも有効になる。とにかく中央では手数をかけず、積極的に縦を狙う意識と精度が重要になる。
その原口の役割によりゴール前での仕事を増やす意味で南野拓実を起用するのも面白い。場合によっては左に原口、右に南野を配置して、両サイドからアウトサイドとインサイドを同時的に突いていく形はシンガポールにとってやりにくいことが想定できるが、勝負所を考えながら指揮官がどういう選択を取るか。
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