チームは4-3-3で好調。理由のなくなった本田起用
そしてシニシャ・ミハイロビッチ監督は、代表ウィーク中に4-3-3のシステムへと変えた。中央だけでなくサイドでもバランス良くゾーンを固め、速い攻守の切り替えのために左右のウイングにはスピードと突破力を求めるという志向に切り替わった。
こうなると、突破力に欠け縦へのスピードでも分が悪い本田は、FWとしては余計に活きにくい。
チームも固まり5戦無敗、アレッシオ・チェルチも好調で本田を出す理由もない。戦術上サイドには単独での突破力とスピードを求めたから、ジャコモ・ボナベントゥーラが出場停止となったアタランタ戦では本田よりもエムバイエ・ニアンが優先された。戦術的にはそういうことである。
本田が、トップ下としてゴール前でのインパクトを示すことが出来ていたら早い時間に使われていただろうし、そもそもシステム変更の憂き目に遭うこともなかったかもしれない。
前回のコラムでも書かせていただいたが、ミハイロビッチ監督は常々「本田はよく頑張ってくれているが、ゴール前ではもう少し良いプレーをすることもできた」とはっきり語っていた。それらが積み重なって、今の立場があるのだ。批判したからこうなった、というわけではない。
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