出場機会が減った本田、原因は本当にクラブ批判なのか?
トリノ戦6分、サッスオーロ戦4分、キエーボ戦11分、ラツィオ戦15分、アタランタ戦22分。これが、本田圭佑が10月4日のナポリ戦後に爆弾発言をして以降の出場時間である。
開幕からスタメン出場ができていたのに、今は立場が変わってしまった。これをもって「やはり監督やクラブを批判したから干されているのだろう」と考える向きもあるのかもしれない。確かにチーム内の立場に悪影響が出やしないかと、不安を感じさせる発言ではあった。
だが、あの発言と今本田が置かれている立場とは関係がないのではないか。これが、この1ヶ月の現地取材で受けた印象だ。
クラブは、あの発言を何事もなかったかのように処理した。ペナルティーを科したとも、不問にしたとも一切発表はなし。広報のトップは「そういうことは一切、ウチはクラブとして口外はしない」と断言していた。
そして、戦力外措置になることもなかった。日本代表のシリア戦、イラン戦が終わってからも招集され続けているし、試合にも出ている。
もといクラブが戦力上の理由以外で選手を阻害する行為は、イタリアではプロサッカー選手協会との協定上禁止されている。現実には、事実上戦力外扱いをしているクラブもなくはないのだが、ミランがそうしていなかったことは5試合出場という記録が証明している。
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