試行錯誤を重ねるゴールへの道筋
前半はほぼ五分五分の試合展開だった。とはいえ、中盤からファイナルサードへかけてのボールのつながりが悪く、レスターは決定的なチャンスを作れなかった。この状況を打開するためのカードとして切られたのが、岡崎だったのである。
この選手交代について、クラウディオ・ラニエリ監督は「リヤドを右に動かして、岡崎を中央に入れてヴァーディーの後ろに置いた。そこからプッシュアップしてボールをクローズすることが可能になり、敵の守備陣にビルドアップさせないようにできた」と解説した。そして岡崎について「非常に重要な選手だ」と付け加えた。
試合後の取材では、岡崎本人も与えられた仕事をこなして満足した表情を浮かべていた。
「今日も何らかの、さらにもう一度先発で使おうかなと思わせるようなプレーをできたと思っているし、絶対に自分が出場した方がリズムを作れていたと思う。チームは絶対にプレッシャーのかけ方も俺が入ったことによって前に行けた」
ストライカーの岡崎が点を取りたいのは当然だ。しかし「今はまだ見えないですね。どうやったらゴールになるか」と、現在は試行錯誤を重ねている。その一方で、自らの前途が多難とは感じていない。
「よくよく考えたら、今3位のチームにいるわけなんで。3位のチームでベンチにいるのはしょうがないと思う。俺が中心で3位になっているわけじゃないので。でも何らかの形でチームに貢献したいと思うし、そのためにこのチームに来たと思っているので」
シーズンの3分の1弱が終了したが、29歳の挑戦はまだ始まったばかりである。ゴールへの道筋が見つかった暁には、時には独善的なくらいに振る舞って得点を重ねる岡崎の姿に期待したい。
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