精度の低いFKも大きな課題
「シンガポール相手だと、どちらにしてもスペースはないんですけど、(大事なのは)スペースを探すという意味で、相手陣内で少しワイドに幅を出すこと。そこのギャップを突いていければ、わずかなスペースを探すことはできるかなと。シンガポールもやりづらくなるんじゃないかなと思います。
ただ、相手の出方によっては幅を出さなくても行ける場合もあると思う。サイドバックとの絡みも含めて、現場でどうすべきかを判断したいなと思います」
10月のシリア戦(マスカット)では引いた相手を想定し、味方同士の距離感を遠ざけすぎて機能せず、後半から修正して一気にペースアップしたということがあった。今回のシンガポール戦も距離感をどうするかが1つのカギになるだろう。
本田が外に開いてチャンスメーカーに徹するのか、中に入って貪欲にゴールを狙うのかは、ピッチ上での判断次第。そのスイッチを入れる役目を担うのは、間違いなく彼自身である。
今回の日本代表もハーフナー・マイク(フィテッセ)のような長身FWを招集していないため、FW陣の中で一番高さのある本田がトップに陣取る時間帯があってもいいのではないか。岡崎ら他のメンバーと柔軟にポジションを変えながら相手をかく乱することも考えるべきだ。
最近決まっていないFKからのゴールも彼には求められる部分。吉田麻也(サウサンプトン)も「この相手にセットプレーから点が取れないのなら、強豪相手だともっと取れない」と苦言を呈していたが、キッカーの本田は重く受け止める必要がありそうだ。
いずれにせよ、今回の一戦は本田圭佑にとっては自らの存在感を改めて示すいい機会。ミランでのうっぷんを晴らすような迫力を今一度、見せつけなければならない。
【了】