存在感、パフォーマンスでロナウドを上回ったハメス
マドリーの敗因となったのは守備だけではない。むしろ、守備よりも攻撃。最大の敗因はクリスティアーノ・ロナウドだった。
カリム・ベンゼマが逮捕というショッキングなニュースの後の今節、マドリーは復帰したガレス・ベイルとイスコ、クリスティアーノ・ロナウドという前線3枚が先発した。
その中でベイルとイスコがアシストを記録するなど一定の成果を上げた中で、ロナウドは前後半を戦ったフィールドプレイヤーでボールタッチ45回、32本のパスは最少。5本のシュートを放って枠内はわずか1本にとどまり、評価も6.5と低いもの。チーム内で孤立していると言えるだろう。
毎回恒例ではあるものの、冬の移籍市場を前にパリSGへの移籍の噂が報じられるなど周囲は騒がしい。それでも、これまでは結果を残してきたが、今は明らかに覇気が感じられない。現状ではマドリーから気持ちが離れていると推測されても仕方ないパフォーマンスだった。
それでもマドリーにプラス材料がなかったわけではないのも事実。62分にイスコと交代でピッチに立ったハメス・ロドリゲスは大きなインパクトを残した。9節ぶりに戦列復帰した背番号10は、わずか28分間のプレーで5度のチャンスを生み出し、独力で得点も挙げた。
90分を通してはコノプリャンカが最も輝いたが、最後の10分前後はピッチ上の22人でハメスが最も存在感を発揮していた。全く存在感のなかったロナウドとは対照的に。
この敗戦は、今後レアル・マドリーの未来は背番号7ではなく10と共に歩んでゆく。そんな予感も感じられる一戦だったといえるだろう。
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