フレッシュな顔ぶれは3人のみ。メンバー選考は慎重な方向に
日本代表にとって今年最後の2試合となるアジア二次予選のシンガポール戦とカンボジア戦に向けたメンバーが発表された。
前回からはGK林彰洋(鳥栖)、DF酒井宏樹(ハノーファー)、DF藤春廣輝(G大阪)、MF遠藤航(湘南)、DF丸山祐市(FC東京)、FW金崎夢生(鹿島)の6人が替わっているが、そのうち酒井と遠藤は怪我で招集が見送られた事情があり、藤春はこれまで何度も招集されているので、実質的にはカンボジア戦およびアフガニスタン戦の追加招集で参加した丸山とアギーレジャパン時代の昨年9月以来の復帰となる林、実に5年ぶりに選ばれた金崎がフレッシュなメンバーとなる。
完全固定というわけではない。ただ、「1年目はできるだけたくさんの選手を見たい」というハリルホジッチ監督の言葉から考えれば、限定的な入れ替えではある。過去の代表監督と同じく、合宿の時間や試合が限られる中でのやり繰りを強いられている事情はあるだろう。ただ、現在は二次予選を戦いながらも、できるだけチームのパイを大きくしたい時期だ。
当然、ただ選ぶだけでなく試合で使った方がテストにも経験にもなるわけだが、少し大胆なメンバー選考をしてその後のための可能性を広げる作業をするプランもあったのではないか。こうした傾向にはやはり初戦のシンガポール戦での引き分け、東アジアカップで結果が出なかったことが要因になっているのは間違いないが、慎重な方にベクトルが向きすぎているのは気がかりだ。
例えば指揮官が「最近少し疲れている」と語る宇佐美貴史やミランでここ4試合途中出場が続きポジションが危うくなっている本田圭佑あたりを選外とし、新戦力に枠をあけることができなかったのか。
もちろん彼らは代表戦で主力として実績を残してきたし、勝負所で頼りになる存在だ。確かに敗戦が許されない2試合ではあるが、この段階において状態が良くない選手を招集するのはプラスの面が少ない。コンディションを加味して彼らに代わる選手がいなかったのだろうか。